「アップとルーズで伝える」(3)
小学校4年生光村図書「アップとルーズで伝える」は、写真とともに読む説明文です。本文とも関わらせて、写真を「読む」活動が終わったところで、本文を改めて読んでいきたいです。
段落ごとの要点は次の通りです。
(1)写真Aの説明 こうふんをおさえて開始を待ち受けている感じ
(2)写真Bの説明 コートの中央に立つ選手が顔を上げてける方向を見ている
(3)アップとルーズの説明
(4)写真Cの説明 アップでとると細かい部分の様子がよく分かる
(5)写真Dの説明 ルーズでとると広いはんいの様子がよく分かる
(6)アップとルーズにはそれぞれ伝えられること伝えられないことがある
(7)テレビだけでなく写真にもアップとルーズがある。
(8)アップとルーズで伝わる内容が変わる
このうち、筆者の意見が述べられているのが(3)と(8)で、それぞれ、
「何かを伝えるときには、このアップとルーズを選んだり、組み合わせたりすることが大切です」
「送り手は伝えたいことに合わせて、アップとルーズを選んだり、組み合わせたりする必要があります」
になります。ほぼ同じですね。
そのあたりが、手引きにも書かれています。ただし「筆者は、なぜ二度、同じような文を書いたのでしょう」というのはよくないですね。各段落の要点をまとめ、意見が書かれている部分に注目することは大切ですが、もう少し写真と関わらせて読みたいです。
例えば、写真A、写真Bは、テレビ放送でいえば、一続きの場面と言っていいと思います。なので、これを「組み合わせ」の例ととらえて、その意図を考えるとか、ゴールシーンや試合終了の場面では、欠点を補うために、どのような映像(写真)を組み合わせるとよいかを考えるのもよいかもしれません。
次回は、新聞記事を素材に、アップとルーズどちらの写真が選ばれているか、それがどのような効果を上げているかを考えてみましょう。それには、同じ出来事が記事によってどうとらえられているかが大切なので、その適切な例を探さなければいけません。